「ブルドーザー」 中三 市川正三   昭和3410

県の開拓公社から

ブルドーザーとトラクターがやってきた

木の根も 草もおしつぶして進んでくる

すごい  すごい

みるみるうちに草原が

畑にかわっていく

 

僕は はじめてみた

一ヘクタールの土地を四日でやってしまう

なんて力のある機械だろう

ブルでおこしたあとを

トラクタでしあげる 走る時は早くないが

こんな機械が部落にあったら

どんなに便利だろう

道をつくるときだって

雨でこわれた 畑や道をなおすのだって

どんなに都合がいいだろうか

 

「しば」        中二 丸山キクイ  昭和3410

朝から歯がいたむ

私には、虫歯が二本ある

歯をみがいても なおらない

いたくて いたくて

いつも立っても いられないぐらいだ

母さんは

「塩をつめろ」という

塩をつめたら なおいたくなった


「電気」          六年 吉田敏  昭和341

僕らの学校にも 電気がつく

電気が入れば 映画もみられるし

明るい電灯もつく

電気の勉強も しっかりできる

先生だって 電気コンロを使ったり

電気スタンドで勉強できる

先生が勉強できるようになると

僕たちもよくなる

早く 明るい

電気がつくといいな

 

「僕のふく」    五年 荒木五男  昭和344

ぼくのふくは、よくきれる

ぼくは、かあちゃんにだまってると

「そのふくどうしてきらすんだ」

というから

「きてるときれるんだ」

といって

平気でイロリであたっている

 

「よる」       五年 藤井えみ子  昭和341

ゆめをみている さいちゅうに

私は目をさました

キーンと 音がしている

「ボーッ」という 汽車の音のした

ゴットン ゴットン 音をたてていた

おとうとが 急になき出した

私はたまげて

ふとんをかぶった

だれかが

あたまをつかむような気がした

 

「私ののぞみ」   五年 吉田修身  

私たちの村は、町から二十キロもはなれた

山にかこまれた小さな部落だ

バスも通らないし 電気も電話もない

だから映画も幻灯もみられない

いつも暗いランプの下で 一生けんめい

勉強している

お父さんや お母さんは、いつも炭やき

私たちは二人の先生におそわっている

いつまでもこのままではいけない

街の友達から だんだん はなれてしまう

 

去年とちゅうまで バスが通うようになった

それでも山路を十キロも 歩かねばならない

こんど学校に電気がつく

早く電気がつくといいな

映画もみたい ランプもいらない


「山の分教場」         中三 草野邦夫

私たちの住みかは 山の分教場

人里はなれた 山の中

でも ただひとつ便利なものがある

それは 三輪車が通うことだ

私は三年のときここへ来た

それから五年

それでも まだ三輪車しか通らない

電話もなければ 電灯もない

でも学校だけは新しい

教室が二つ

先生が二人

生徒が二十三人

僕もその中の一人だ

山の中は刺激がない

平凡な毎日だ

だけどそれで終わってはいけない

人間は非凡でなければいけない

ぼくだって 三、四年生頃までは

勉強が一番いやだった

学校さえなければなぁと思った

でも 今は違う

雨の中から 嵐の中から

立ち上っていかねばならない

山奥を 山奥でなくするために